黒壁の角屋大塚工務店

• 現在地：明石市
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住まい手とは、土地探しからご一緒しました。
建築用地に選んだ場所は、南側に広い道路と公共の緑地帯が並走する、とても豊かな環境の南東角地でした。

外壁後退ありの狭小23坪の敷地でしたが、狭さのお陰で土地費用を圧縮。通りも少なく、広い空への抜けと、緑地を借景にできる場所性を受け容れることで、ロフトを備えた建坪10坪の「風土と暮らす木の家」が生まれました。

建築と道路境界線の間には、木製バルコニーのようなデッキを伏せて、内を外へ広げつつ、歩車との仕切りとしています。さらに、格子雨戸とハニカムスクリーンで窓辺を複層に装備することで、心理的にも、まちと関わり、まちに開くことを容易にしています。敷地の角に面する部分は、建築に入隅をつくることで利他を示しました。そこに、真っすぐなヤマボウシの樹を配することで、街の角に、緑の雲を提供しています。

屋根はロフトを確保するために、６寸勾配を採用。その作用で、二階の窓からは化粧垂木がつくる深い軒を、つぶさに垣間見ることができます。
軒先がつくる直線越しの空の青と、帯状にひろがる緑。
掛け替えのない借景という、あたりまえの日常を、美しくを引き立てるのもまた、勾配屋根が持つ大切な役割であることを再認識したのでした。

延床面積71.41㎡（21.55坪）＋ロフト9.94㎡（3坪）/ 敷地面積77.16㎡（23.29坪）

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