白壁の角屋大塚工務店

• 現在地：明石市
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敷地は、住まい手の祖父母の家が立つ場所でした。
南東角地の道路境界沿いには、高いコンクリートブロックの塀がそびえる、そんな小さな古家でした。
他方、新しい住まい手は、とても明るく楽しい若いお母さんのいるご家族でした。

建て替えに際して、まちとの関係を遮り、細い前面道路との境界を切り取るようにあった、堅い立ち上がりを排すること。
その代わりに敷地の角に開かれた前庭をつくる、という提案を快諾頂くまでに、そう時間はかかりませんでした。

高さ制限と厳しい外壁後退を逆手にとって、直角と並行の二台分の駐車スペースを確保。
車を止める場所がなかった閉鎖的な旧家と比べても、敷地に余白を残して、利他的に建てること他者の為だけではないことは明白でした。
加えて、前にはなかった緑の前庭と、裏手には夏のアウトドアリビングにもなるデッキも実現できました。

通勤通学路になる前の道からの視線に配慮して、一階南側の開口は絞り、うえに上げています。
一方、二階の大きな窓からは、吹き抜けに見立てたリビング階段越しに、太陽の熱と光を取り込み、冬の日射取得と昼光利用を促進します。

夏の日射遮蔽の為の格子雨戸は、小さな建築の顔となり、白のシラス壁に情緒ある影をつくります。
二階を地窓にすることで段窓化した南のファサードが、それとなく無国籍な風情で、古いまちに馴染んでいます。

この夏、裏手の小さなデッキには、大きなビニールプールが広げられ、それを待ちわび小さな住まい手たちの歓声を聴いた時、そっと胸を撫で下ろしたのでした。

延床面積80.45㎡（24.28坪）＋ロフト9.94㎡（3坪）/ 敷地面積93.37㎡（28.18坪）

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