一般社団法人 新木造住宅技術研究協議会(新住協)関西支部有志メンバーで構成するQ1住宅を施工可能な工務店・設計事務所、施工事例、イベント情報が満載

2018年03月05日プロの家づくりコラム

高断熱住宅のメリット

今年初めての春の嵐がやってきました。残念な事に全国的に色々な被害がありました。
被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
しかしながら、これから暖かくなっていくよい予兆として前向きに受け入れていきたいところです。

さて、今回のテーマは高断熱住宅のメリットです。
ずばり私が思うメリットは

第一位 快適
第二位 光熱費が安い
第三位 安心感 (施工業者の質のよさが確保できる。)

高断熱住宅のメリットをお話しする際に切っても切れない事があります。それは高気密という仕様です。
たとえるならそれは漫才師の様にどちらかがかけると最高のパフォーマンスを発揮できません。
ではなぜそうなるのか?それは高気密のメリットから見えてきます。

高気密のメリット

  • ・壁の中の断熱性能の低下を防ぐ。(壁の中の空気の移動を抑制する為。)
  • ・壁の中に湿気を溜めない。
  • ・外部からの冷たい又は熱い空気の侵入を防ぐ。
  • ・換気を効率よく行える。

以上の項目は、すべてに関して断熱性に影響があります。

また、換気を効率よく行えるというのはなぜなのか?と思われる方もいるかもしれません。
わかりやすい例でいいますと、飲み物をストローで飲む時を思い浮かべて下さい。
そのストローに無数の穴が開いていたとします。

おもいっきり吸ってみてもまったく飲む事ができません。
これと同じ様に、気密性が悪い住宅では換気扇で空気をおもいっきり吸ったとしても、無数にある隙間によって空気が思うように出ていきません。

これでは換気能力をまったく発揮できず、また、せっかくの高断熱でも空気がそこら中で出たり入ったりして温度を一定に保つのは不可能です。

高断熱住宅のメリットについての技術的な面の詳細な説明は多々ありますがここでは簡単にまとめさせていただきます。

高断熱住宅のメリット

【断熱性能がいい】

→室内の温度差が少なく快適に生活でき、なおかつヒートショックなどの危険性も減る。
(例えば、同じ部屋の中でも床付近と天井付近の温度差が少ないので足元が寒いなどの不快感がない。)

【室外の影響を抑えられる】

→外気の汚染物質の侵入、夏場の高湿度の侵入を防ぎ、計画換気により冬場の湿度の管理を
容易にする。若干ですが防音になる。

【質のよい建物になる】

→その住宅の性能が数値できっちりわかる。断熱性能を理解して施工できているという事は、その工務店や職人の能力が高い事がわかる。
また、断熱の事まで考えられている工務店は耐震性やメンテナンス等の住宅を作る上で大切な基本性能をしっかりと考えて施工している事が多い。

-高断熱住宅のプロの方とプロではない方の考え方-

今回のコラム作成に伴い、身近な方のアンケートをとらせて頂きました。(とても少人数です。)
西日本の方ばかりなのでこれから関西以西で高断熱住宅を建てたい方は参考にしていただければと思います。

プロの方

第1位 光熱費がやすくなる。
第2位 暖かく快適に生活ができる。
第3以 健康によい

プロではない方

第1位 暖かい
第2位 光熱費がやすくなる
第3位 なし

プロの方はやはり具体的な意見が多くありました。
実体験をもとに言って頂いているのでより詳細なメリットがある事がわかります。

プロではない方は暖かいという以外はあまりイメージがない事がわかりました。
まだまだ世間で当たり前の仕様となっていない事が推測されます。

今回アンケートに答えて頂いた方の話を聞くと色々な考え方がある事がわかりました。
しかし、その内容は突き詰めていくと結局はすべてつながっている様に思います。

私が思う高断熱住宅のメリットとは、家の中の温度差が少なく、冬は暖かく、夏は涼しく、春、秋は窓を開けて自然の空気を感じながら家族と楽しく快適に生活できる事だと思います。
それに付随して光熱費が安くて、しっかりした建物だと安心できる生活がついてくるのだと思います。

また、これから住宅の新築や改修を考えておられる方はメリットだけでなくメリットではない事もあるんじゃないか?と疑いの気持ちをもって進められてはどうかと思います。
メリットじゃない事って何?と気になった方はぜひ次回のコラムをご覧ください!

投稿者プロフィール

suminokogyo
最新の投稿


メニューへ
戻る

Copyright © 新住協関西支部Q1住宅部会  All Rights Reserved.