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2020年10月07日プロの家づくりコラム

家づくりを成功させたいなら完成見学会に行ってください

こんにちは、ダイシンビルドの清水です。 コロナ禍の中、見学会の開催を控えていましたがQ1住宅部会メンバーの中でもポツポツと開催されるようになってきました。 弊社も9月中に1回完成見学会を開催できました。 しかしコロナ対策をとったうえでの開催ではご案内できる人数に限りがあり、予約受付早々に満員となってしまいました。 見学会はお施主さんのご厚意のもと開催できるので、あまり頻繁には開催できません。 自分がいける範囲で「予約受付中」の文字を見たら、予約して見学されることをおすすめしますよ。 では今回は、なぜ見学会に参加すべきなのか。 そのメリットとデメリットをお話しします。

「お施主さんの声から導き出したいい家を建てる秘訣」

これは弊社のお施主さんに限りませんが、満足のいく家を建てられた方の多くは、見学会に頻繁に足を運んでいます。
デザインや見た目は写真やカタログでも分かりますが、どんな質感なのか、どんなにおいがするのか等。
肌や空気で感じるものは全く分かりません。

「2020年の夏はとにかく暑かった。
異常な暑さだった」と人に話しても体験していない人には伝わらないですよね。
でも同じ場所で同じ暑さを体験した人とは、どれだけ暑くて苦しかったのか、電気代が跳ね上がったのか話がはずみます。

感じるというのはそういう事です。
自分が感じたものは自分だけの感覚であるため、体験していないと分からないのです。
想像はあくまでも想像です。
2020年の夏、あの異常な暑さの中でも「うちはエアコン一台で家中涼しかったよ」と言われてもあの暑さの中の高断熱住宅を体験していないと意味が分からないと思います。
私の家は「エアコン一台で家中涼しい家」なので、弊社スタッフの3人家族で3台のエアコンをフル稼働しても個室以外はめちゃくちゃ暑いという家がよく分かりません。
もう忘れました。

というように、自分の感覚を知る。
どういうものを快適と感じるのか、それは人それぞれ違います。
知らない感覚は知らないままですが、経験すると知った感覚になります。
経験したことで快適・心地いいと思ったらそれが、お施主さんにとっての良い家の1つの形になるんです。
そしてそのいい家の形を集めた家を建てると、満足のいく家が建つのです。

見学会に行く最大の目的は、自分が快適と感じる感覚を知ることです。
知らないまま家を建てるのは、高価すぎるほど高価なだけに危険です。
しっかりと自分の感覚、家族の感覚を大切にしましょう。

では次は、見学会に参加するメリットとデメリットをお施主さんの実体験からお伝えします。

「いろいろな見学会に参加するデメリット」

  • ・営業マン疲れ
  • ・いろいろ見すぎてよく分からなくなった
  • ・それぞれ良いところがあり、何がいいのか分からなくなった
  • ・目が肥えすぎて予算が心配になる

デメリットの営業マン疲れですが、営業トークばかり聞いていると感覚を言葉で覆い隠されてしまいますので危険です。
家に帰っても営業トークしか記憶に残っておらず、家の感覚が無い。
これは危険ですがどう対処するかは人それぞれです。
弊社のお施主さんの多くは、家に一歩入った瞬間の感覚が一番ダイレクトに伝わってくるとお話しされていますので、第1歩目を大切にするのも対処法の1つだと思います。

他の3点は、いろいろ見ると悩むのは家だけではないですよね。
洋服でも車でもいいものを見ればどんどん目が肥えていきますし、欲しくもなってくる。
当然だと思います。
そんな中で大切にしてほしいのは資金計画です。
確かにお金をかければかけるだけいい家は建ちます。でもそんなのはほとんどの人が不可能です。
だからこそ資金計画をしっかり立て無理のない範囲で家を建てる。
決まった資金計画の中で優先順位をつけることが重要です。
弊社のお施主さんは、後でどうしようもない部分に優先的にお金をかけるとおっしゃられます。
耐震や断熱の性能にお金をかけてから、次を決めていく。
安全が無ければ安心した暮らしはできないので、この方法はおススメです。

「いろいろな見学会に参加するメリット」

  • ・広さや大きさが分かるのでイメージしやすい
  • ・いろいろなデザインの家が見れるので、自分たちの好きなデザインが分かりやすい
  • ・家の性能の意味が分かった
  • ・同じことを謳っていても違いがあることが分かった
  • ・同世代の人が建てた家はモデルハウスより現実的で分かりやすい
  • ・「これがしたい」「これは好きじゃない」がはっきり分かる

見学会に参加するメリットはすべて感覚的なものですね。
6畳の部屋と一言で言っても天井の高さが違うだけでも感覚は変わってきます。
私たちのQ1住宅部会は、高断熱住宅専門の会社の集まりです。
高断熱住宅ばかり建てているので、だんだんこれが当たり前の感覚になってきていますが、日本は断熱性能がまだまだの家がほとんどです。
高断熱住宅とうたっていても、「数字だけだね」と思う家もいっぱいです。
これでは高断熱住宅を建てた意味がありません。
数値が良ければ良いのではなく、人が快適と感じる必要があります。

同じような高断熱住宅を体験してもらうと、この違いがよく分かります。
違う言い方をすれば、体験しない限り違いは分かりません。
分からないまま高い家を建てるのは危険なので、絶対に体験してから建ててください。

違いというと、昔のCMを思い出します。
「違いが分かる人のコーヒー」
あれも飲み比べないと分からないですね。
何でも比べるのは大切なことなので、家を建てようと思ったらまずはいろんな家を体験することをおススメします。
家族で参加して、自分たちに会うのはどんな家か?を知る。

特に家は、洋服や外食のように「失敗したから次!」というわけにはいきません。
だいたいの人が、人生に一度の経験なので分からないことばかりです。
だからこそ、いっぱい見ていっぱい経験していっぱい知った人が、満足のいく家づくりができているんだと思います。

最後に自分に合った会社を見極めるポイントをお伝えします。

「見学会で会社を見極めるポイント」

  • ・ここに住みたい!と思う家を建てているか?
  • ・広告や営業に力が入りすぎていないか?
  • ・話を聞いてくれるか?
  • ・質問すればその場で返事が返ってくるか?

自分たちの資金計画と変わりのない家を見学した際に、「ここに住みたい!」「こんな家が建てたい!」と思えばそれが正解です。
ただし、あくまで資金計画に合う家であることが重要です。
めちゃくちゃお金をかけている家は多くの人が住みたい!と思うでしょう。
でもお金が無ければそういう家にはならないので注意してください。

広告や営業に力が入りすぎていないかというのは簡単です。
広告費や宣伝費も住宅価格に盛り込まれています。
高い家はその分上乗せされていますし、安い家なら低価格にするために家のクオリティを下げられるだけ下げています。
注意しましょう。

「話を聞いてくれるか」「質問すればその場で返事が返ってくるか」
この2点はよく似ています。
まず「話を聞いてくれない」会社は辞めましょう。
自分たちの家なのに、自分たちの話を聞いてくれない。これではいい家は建ちません。
建売住宅と変わりません。
「質問すればその場で返事が返ってくる」かどうかですが、質問の答えがなかなか返ってこない場合、自分たちの話を聞いている人は、家を建てる側の人間ではない、または知識が不足している人間が大切な話を聞いているという事です。
もちろん事務員と話をして、質問の答えが返ってこないのは当然ですが、社長や現場監督、営業マンと話をしているにもかかわらず明確な答えが返ってこない場合は要注意です。

「まとめ」

見学会の良いところは、目の前に現物があり、家の中に自分がいる状況にあるという事です。
しかも完成見学会の場合、建てたお施主さんが実在するお家です。
モデルハウスとは違い、住むことをしっかり考えて建てられたお家はお施主さんの想いと、建てた会社の想いが込められています。

その家の中に入って、その家を建てた住宅会社の話をしっかり聞いて、質問して見極める。
これは良い家を建てるためには絶対にしてほしいことです。

そしてこの会社!と心の中で決めたら、その会社の見学会に数多く参加してください。
違和感を持つのか、もっともっと知識が深まり建てたい家のイメージが膨らむか。
それはその時にならなくては分かりません。
これも感覚的なことです。
でもそれもこれも全部、見学会に参加しなくては分からない感覚です。

自分たち家族が暮らす家。
「住まい」とは、「人が主」と書きます。
しっかりと自分たちの感覚を大切にして、住み始めてからのことも考えて、どんな会社なら自分たちの家を任せられるのかを考えてください。

家づくりはだいたい一生に一度です。
めんどくさがったら絶対にダメですよ。

投稿者プロフィール

有限会社ダイシンビルド 清水一人
関西で高断熱住宅を建てて10年以上になります。
試行錯誤を繰り返しやっと「関西でちょうどいい高断熱住宅」を提案出来るようになりました。
快適な暮らしづくりの為にも高断熱・高気密の
技術は大切です。
しかし、この技術は快適な暮らしの要諦のひとつにしか過ぎません。お家づくり、リノベーションの際には敷地条件、家族構成により優先順位はさまざまです。十人十色のお家づくりを楽しみながら一緒に出来たらと思います。

お気軽に何でもご相談下さい。


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