2019年06月22日イベントレポート
6月開催完成見学会レポート(AD HOUSE)
6月の下旬、梅雨入りしないまま雨が降ったりやんだりの天気のせいで、じめじめした空気が充満する日に兵庫県たつの市で営まれているAD HOUSEの新築住宅完成見学会にお邪魔しました。
姫路市の中心姫路駅から約20分、相生駅近くに建つガレージが印象的な大きな新築一戸建て住宅です。
一目見た瞬間から存在感の割にすっきりとした印象が強い注文住宅で、そう感じさせる理由が気になりました。
スタッフの岩佐さんの案内で家の周りを見せいただいたところ、一点これかな?と思うポイントを早々に見つけました。
外構壁と家の外壁がつながって平面になっているのです。
確かにこの形にすると不自然な凹凸がなくすっきりとした印象に仕上げることが可能です。
焼き板が外構壁から外壁まで段差なくはめられていますが、この焼き板も一枚ずつ取り換えることが可能な作りです。
新築である今だけではなく、将来のメンテナンス、費用をあまりかけずにお手入れができるよう作られていることに驚きです。
今回は、この水平に並ぶ・住む人のことを考えるという2点に注目してこちらの注文住宅ならではポイントをお伝えいたします。
完成見学会が開催されている相生市はとても緑豊かな地域です。
お家のすぐ隣にも大きな公園があり、桜や楓の木が生い茂っています。
地域にある豊かな自然を借景としてめでることができる、手入れを省けるという点から植栽は目隠しになる場所に一本だけ植えられているのがとても印象的です。
ガレージの作りなどを見ても住む人の生活、手間や地域性を考えていることがよく分かるお家です。
黒い壁が続いたところに突如真っ白な玄関ドアが現れます。
白一色の扉にも関わらず、表情がある扉は職人の手作業で作られたものです。
6CMの厚みの扉は屋外の影響を受けにくいMDFで作られており、40㎜の高性能フェノールフォーム断熱材が充填されています。
静かな見た目とは裏腹に、断熱性能もしっかりと維持されています。
注文住宅の魅力は自分たちの思いを反映した家づくりが行える点にあります。
せっかくの注文住宅なのに既製品は・・・と、よくあるドアに魅力を感じられない方には特におススメの玄関ドアだと思います。
AD HOUSEではカウンター一枚に至るまで現場で職人が手作業で作りあげるなど、細部に至るまで丁寧なお家づくりを行われています。
Q1HOUSEの中でも特に性能+技術を施したデザインを採用されている工務店の1つです。
玄関を入った先に広がる吹き抜けと収納空間
吹き抜けの玄関は空間の切り抜き方と収納の配置が絶妙で、とても広く感じます。
玄関に収納は3つ。
収納庫を兼ねたシューズクローゼットと、収納庫とかなり大きいサイズのポストです。
シューズクローゼットはパイプハンガーをシルバーに、床は玄関と同じタイル続きにすることで外の雰囲気を維持しています。
収納庫は床をカーペットに変え黒のパイプハンガーを使用することで屋内と感じることができます。
ちょっとした物の採用の仕方で、同じような収納庫でもそれぞれの意図が感じられることが分かります。
そして、これは良い!と思ったのが、階段下を利用したポストです。(写真2枚目)
基本的に階段下は収納庫になっているパターンが多く、使いにくいんだよね・・・と思うことがよくあります。
実際我が家の階段下収納の奥にあるものは20年物ばかりです。
階段下をどう使うかは、お施主さんの暮らし方からプランナーがどう組み立てるか、結構会社の色が出るなと思うポイントです。
注文住宅の完成見学会に行かれた際は、階段下の使いにくい部分をどう工夫されているか見られるとよいかと思います。
細かな手仕事が生み出す深みのある空間
先にも述べた通り、AD HOUSEは細部までしっかりと作りこんだ注文住宅を建てられるため、壁や柱までとても特徴があります。
その象徴ともいえる1つが、角が面取りされた柱や壁です。
角がどこにもなく丸みを帯びている柱や壁が平行に並ぶことで高級感が現れています。
容易に想像できる手間のわりに、一見するとあまり意味のないことのようにも感じますし、実際のところ暮らすという行為に変化があるとは思えません。
しかし何気ない職人の手仕事が空間に奥行きを出すこと、空間に柔らかさやを持たせていることに気づかされます。
家は大切な人と長い時間を共にする場所です。
心地いい空間で気持ちよく過ごす以上の意味なんて無くて良いんだという作り手の思いが、この丸みから伝わってきました。
この丸み、ところどころに丸みがないものもあります。
意図をもって角を取らずにいる部分があるので、理由はぜひご自身の目でご確認ください。
丸い角が並ぶ廊下を進んだ先にLDKが広がりました。
最初に目につくのはアイランドキッチンか、薄い天板のカウンターか。
どちらも一目で既製品ではないことに気が付きます。
薄い天板のカウンターは、たわまないのが不思議な作りですが、のぞき込んで納得です。
人の目線の角度で薄く見えるよう角がとられていただけで、厚さ3センチの一枚板で作られていました。
3センチの物が1センチ未満の厚さになると、確かに空間は広くすっきりと感じることができます。ここでもひと手間を感じます。
オリジナルのアイランドキッチンは正直なところカッコいい反面使いにくいんじゃないかな・・・と、既製品しか使ったことの無い私が勝手なことを思いながら拝見したのですが、驚いたことに既製品のアイランドキッチンを採用されていました。
アイランドキッチンの周りを既成パネルではなくタイルで仕上げることで、リビングの中にキッチンが違和感なく存在しているのがとても面白かったです。
既製品を取り入れたうえで、こだわりの空間にどうなじませるのか。
AD HOUSEの家づくりにおけるこだわりが垣間見えました。
そんなキッチンの横には在来工法で作られたバスルームがありました。
少しお高くなりますが、ユニットバスにはどうしても出せない雰囲気があります。
廊下から見えていた坪庭は、お風呂に入りながらゆったり眺めることができることもあり、非日常のようなバスルームに仕上がっていました。
ラインを揃える重要性
このバスルームはキッチンの横にあるのですが、リビングにいてもなぜか違和感がありません。
大きな扉があるのになぜ?と思ったところ、天井のラインが揃っています。
家周りの外構壁と外壁が平行に並んでいるのと同じように、一列にそろっているのです。
小さな扉を設置して不必要な凸凹ができるよりも、大きくして窓や天井と並びをそろえるほうがスッキリすることがよく分かります。
リビングにはFIX窓(はめ殺し窓)が多く採用されています。
FIX窓の効果は外の景色に大きく依存します。
FIX窓は景色に合わせたサイズと、絶対に必要な換気窓の配置にプランナーの意図が大きく反映されています。
窓の配置は完成後に変更することは容易ではありません。
完成見学会に参加される際は、窓の意図にも注意しながら見学されることをお勧めします。
窓の配置は、日射角度や通風はもちろんのこと、隣近所との関係にも関わってきます。
新築を建てる時だからこそ自由にできるものなので、この工務店はどうなのかな?と考えながら見学されると工務店の力量が分かりやすいかと思います。
自分に合った上質を知ることが重要
1階を堪能させていただいた後、吹き抜けの階段を上り2階へと上がらせてもらいます。
2階にはどうしても熱だまりが発生します。
冷房も暖房も必要ない季節用の通風を考え、天井付の窓がしっかりと取り付けられています。
絶対に必要となる通風用の窓ですが、こちらのお家ではお施主さんの生活スタイルに合わせた工夫が施されています。
お施主さんの趣味を十分に理解されたその奥行きと、窓から見える景色に本当の贅沢と、住む人に合わせた家づくりがどういったものか分かった気がします。
AD HOUSEの今回のお家はとてもAD HOUSEらしい作りをしています。
特に派手なわけではなくごちゃごちゃ作りこまれているわけでもない、必要のないものはすべてそぎ落とした上で、高さや幅・手触りや質感などを綿密に計算し職人が手を加えているお家です。
質を感じるお家、はっきりと言ってしまえば「高いんでしょうね・・・」と口をついて出てしまうような家になっています。
家じゅうを見て回ることで、見る人がそう感じてしまう理由がはっきりと分かります。
例えば、インターフォンなどの収まりです。
単純に壁の中に埋め込むのではなく、インターフォンなどのコントロールパネルを配置する壁面を下げることで、コントロールパネルの面をそろえています。
きれいに埋め込まれたスイッチは確かにすっきりしているのですが、正直壊れた場合どうするの?と思うことがよくあります。
新築である「その時だけ良ければ良いわけではない」という考えが、家づくりを行う時に一番大切なポイントだと思っています。
余裕をもって面を下げることで、サイズの違うスイッチを縦一列に並べることができる。
中心線が並ぶことによって生まれる余裕と統一感が与える印象は、家を一段上のものとできるんだと実感しました。
インターフォンを取り換える時なども、サイズを考えなくてもきれいに収まるのは、新築の時に先のことまで考えているからこそのメリットですね。
照明は暮らし方を考えて選ぼう
家族の構成上、照明はほぼ間接照明で構成されたこちらのお家をじっくり拝見することで、照明の種類と重要性、特にLEDの色の多さに驚かされます。
場所、用途に合わせて明るさや色を選ぶ大切さは、照明が自分及び相手に及ぼす影響が少なくないことが分かります。
たまに飲食店などである白けた明かり・・・、パウダールームで自分の顔を見た瞬間に現実に引き戻された経験がある方も多いのではないでしょうか。
その原因は、何も考えていない明かりのせいです。
その場所で何がしたいか、どういう時間を過ごしたいのか。
用途と共にそういったことを考えて自宅の照明を選ぶのも、家づくりにおいての楽しみかもしれません。
完成見学会に参加する意味
お家づくりを考えられる際は、完成見学会に多く足を運んでいただきたいと私は考えています。
その理由の1つに、お施主さんが提案しない限り、工務店からは提案いただけないどころか、普段からあまり勉強していない工務店だともともと知らないことも多くあるからです。
AD HOUSEの今回の完成見学会でも、どこの家でも欲しいんじゃないの?と思ったポイントが多くありましたのでその内の3つをご紹介します
1:センサーライト
パントリーとトイレにつけられたセンサーライト、あまりものに触れたくない場所は触らなくても照明がつくようになっていました。
センサーライトとスイッチライト、新築を建てる際にはどちらも同じように設置できるので場所や用途に応じて「ここはセンサーライトで」と指定されることをお勧めします。
2:スイッチやコンセントカバー
スイッチやコンセントカバーにも多くの種類があります。
ホームセンターで扱っているプラスチックの物から、陶器でできているようなものまで。
多種多様の中から選べるものなので、自身の好みと壁の色や用途に合わせて選ばれることをお勧めします。
せっかくの注文住宅です。
小さな部分までこだわったほうが満足感が大きくなります。
3:大容量の食洗器
食洗器についても同様です。
既製品のキッチンの場合、食洗器が決まっていると思われるかもしれませんが実はそんなことはありません。
食洗器に関しては日本の物よりも海外製品、特にドイツ製がお勧めだと家づくりなどの本に書いていることがよくあります。
既製品のキッチンについている食洗器を変更することは可能なので、新築を建てる際に対応可能かどうか確認されることをお勧めします。
工務店が開催する新築住宅やリノベーション住宅の完成見学会では、注文住宅を一から建てるお施主さんの思いと情熱を見ることができます。
なぜそれをわざわざ採用したのか、じっく考えながらぜひ見学ください。
家は3回建てなければ成功しないとよく言われますが、注文住宅を3回も建てられる人はほとんどいません。
失敗しないためにも多くの見学会に参加し、先人の知恵を吸収されることが失敗回避の一番の近道だと私は思っています。
その際にはぜひ、案内される方に遠慮なく質問することが重要です。
しっかり家を建てられている工務店なら大抵の質問にはその場で答えられます。
うわべしか説明できない場合や、回答に困る場合は営業マン(担当者)と現場に距離がある場合が多いので私の経験上注意が必要な場合がほとんどです。
AD HOUSEを初め、当サイトで紹介させていただいている会社はみな家づくりが大好きで生業にしているため、説明がくどかったり熱く語りだしたりすることも多々あります。
専門用語も多用しますので、そんな場合は随時聞き返してください。
家づくりは”分からない”、”知らない”を放置したまま進めることほど怖いことはありません。
しつこいと思うほど質問して丁度いいぐらいです。
AD HOUSEでは、姫路市やたつの市を中心に神戸市に至るまで随時完成見学会を行っているほか、すでにお引き渡し済みのお家を見学させていただけるイベントなども多く開催されています。
そちらのイベントでは、お施主さんに直接お話をお聞きいただくことも可能です。
ぜひご参加の上、生の声をお聞きください。
投稿者プロフィール
- Q1住宅紹介サイトQ1HOUSEを主に運営している事務員です。
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