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2018年04月30日プロの家づくりコラム

高断熱住宅の断熱方法

早いもので4月も終わり、明日から5月に突入です。ということはすでに一年の1/3が終わったことになります。
ついこの間まで寒さに震えていたかと思えば、もう各地で夏日を記録するという季節の移り変わりを感じるのは四季を持つ日本ならではですが、この気候条件だからこそ住宅における高断熱・高気密化が大切になってきます。
寒い冬でも暑い夏でも快適に過ごせる家を建てたいですね。

さて、今回は断熱の方法について書いてみたいと思います。
断熱方法と言っても、断熱材そのものの種類から施工方法といろいろあると思いますが、今回は施工する位置についてご説明したいと思います。

屋根断熱について

まずは屋根面の断熱方法ですが、以前は天井の上に断熱材を施工する天井断熱が主流でしたが、最近では天井の上ではなく屋根面に断熱材を施工する屋根断熱が多くなってきました。
下の写真のように勾配天井とする場合は必然的に屋根断熱ということになります。
このように空間を大きく使えるのが屋根断熱の最大のメリットです。

外壁断熱について

続いて外壁の断熱方法ですが、内断熱と言われる壁の中に断熱材を充填する方法と、外断熱と言われる壁の外側に断熱材を張り付ける方法があります。
少し前までは柱などの外側で断熱材で包み込む外断熱が優れていると言われていましたが、最近あまりそういう情報が耳に入ってこないということは、様々な問題を抱えているということかもしれません。
実際に施工後数年たつと断熱材がずれてしまって本来の性能を発揮していないという事例もあるようです。
新住協では高性能グラスウールを壁内に充填し、さらに外壁の外側にもグラスウールを施工する付加断熱を推奨しています。

断熱法方法について

次に床下の断熱方法ですが、こちらも床板のすぐ下で断熱をする床断熱と、床ではなく基礎の外側で断熱をする基礎断熱があります。
これまでは床断熱が一般的で床下は通期を良くして湿気を防ぐという考えが主流でしたが、高断熱住宅では基礎の外側で断熱することで床下の空間も部屋と同じと考え、床下に外気を入れないという施工方法が多くなってきました。
さらに冬場は床下にエアコンの暖かい空気を送り込み、各室の床に設けた通気口から暖かい空気を送り出す「床下エアコン」を推奨しています。
こうして床下の温度を上げることで床面の温度も上がり自然と床暖房のような効果を得ることもできとても快適な空間を作り出すことが可能となります。
ここで気を付けたいのは床下のシロアリ対策で有害な薬剤を使って処理をすると、気化した薬剤が室内に流れ込むことになりますので、処理をするのであれば「ホウ酸」を使った人体に無害な処理方法を選択する必要があります。

このように一言で断熱と言っても外気に接する屋根、壁、床でいろいろな断熱方法があります。

間取りや大きさ、平屋と3階建てでは考え方も変わってきます。それぞれの建にあった最適な断熱方法を選択してくれる工務店を選んで、理想の家づくりをしてください。

投稿者プロフィール

株式会社ホクト住建 藤原
大阪の北部、箕面市でくらしの安心を提供する家づくりをしています。建てて終わりではなく末永く安心して暮らしていただくことが私たちの使命です。


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